アメリカ事情

銃乱射事件で生き延びる方法とは? できることはこの3つ

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銃乱射事件、アメリカで2000年代に急増

‘Active Shooter’ という英単語を知っていますか?

2018年は米国のラスベガスやフロリダ・パークランドのMarjory Stoneman Douglas高校などだけでなくロシアでも銃乱射事件が発生し、多くの犠牲者が出ました。

この単語を聞いてピンとくる人が、最近日本でも増えたかもしれません。

念のため説明すると、「主に銃器で殺害あるいは殺害を目的とする行為に自ら従事している人」のことを指します。

An Active Shooter is an individual actively engaged in killing or
attempting to kill people in a confined and populated area;
in most cases, active shooters use firearms(s) and there is no pattern
or method to their selection of victims.
             米国土安全保障省 Active Shooter: How to Respond より

日本語にはピッタリ当てはまる訳語がありませんが、要するに「銃乱射事件を起こそうとしている、あるいは銃乱射中の人」のことです。

日本の学校や企業でも、緊急事態に対する安全対策は行われていると思いますが、銃乱射は通常想定外です。

当然といえば当然ですが、これだけ各地でさまざまな攻撃が起こっている現在、そんな時どうすべきか知っておいてもいいような気がします。

日本から見ると米国は銃乱射があって大変ね、日本に住んでてよかった、ぐらいの感想しかないかもしれませんが、米国人だって銃乱射に対する避難訓練のようなものが重視されるようになったのは最近です。

米連邦捜査局(FBI)のレポートによると、2000年の銃乱射事件は1件のみ。それでも7人の命が奪われていますが、その後毎年増減を繰り返し、2010年には26件、2017年には30件と爆発的に件数が増加する年が見られるようになります。

ちなみに、日本でも広く報道されたコロラド州のコロンバイン高校での銃乱射事件が起こったのは1999年でした。

日本の学校で避難訓練の際に火災だけでなく地震が想定されるように、米国の学校では銃撃に備えた訓練が行われるところが増えてきました。
そう、なぜか学校が襲撃されることが多いからです。

2012年以降だけでも、学校(義務教育の幼稚園年長から高3対象)で発生した銃乱射事件は57件に上ります(Time, 2018年12月10日号 p.35)。
これに大学や2018年の事件を加えると数字はさらに上昇します。

私が住んでいるのも、普段はそのような事件とは縁遠い片田舎ですが、あまりにも銃乱射事件が多発するので、地元紙に銃乱射に遭遇しそうなとき、どうしたらよいかのマニュアルが紹介されていました。

テロや残虐な事件が世界中で発生する現在、知っていて損はないサバイバルガイドといえるかもしれません。

Debra DingmanさんがDavis Enterpriseに寄稿したこの記事は、2年ほど前にテキサス州の病院に勤務時に受けた訓練の内容だそうです。その後同じような訓練を受ける機会がなかっただけでなく、Active Shooterがいるときにどうしたらよいのか、一般向けにまとめた記事も目にしなかったので寄稿することにしたそうです。

銃撃犯に気づいてからできる3つのこと

では具体的に銃撃犯、あるいはそれらしい人に建物などの中で遭遇した時の対処法のまとめです。

大きく分けるとやることはたったの3つ。

1)避ける 2)拒絶する 3)防御する

です。

英語だと

1)Avoid  2)Deny  3)Defend

となります。

ADDで覚えやすいです。

日本語だと、避拒防(ヒキョボウ)、とかですかね…。いまいちかな…

では各項目について、以下で見ていきます。

避ける(Avoid)

奇妙な様子の人・武器を持った人に気づいたらまず警備員に通報する。
目を合わせたり接触したりせず、逃げて自分を守る。

このような人に気づいても、決して自分で向かっていってはいけません。
とにかく「自分を守ること」が一番です。
建物に警備員がいるなら警備員に、そうでなければ警察に通報しましょう。

つまり、警備員への連絡先を常に持っていることが重要です。
自分の勤務先や学校の警備員への電話番号は登録しておきましょう。

そしてどこに行っても、常に避難経路を確認しておきます。
建物に入ったら、どうやって避難すべきかを必ず考えるくせをつけるべきだそうです。

また、自分を守ることを優先し、逃げなければなりません。

病院の職員だったDingmanさんは、この訓練で一番衝撃的だった教えは

「一番大事なのは自分。患者でも、医者でもない」

ということだったそうです。

でも、確かに銃撃犯を止め、自分を守ることが先決です。
そして、銃撃犯を止められるのはその道のプロしかいません。
トイレに隠れたり、戻って部屋にこもるのは危険です。

他人に悪いと思って逃げなければ殺されることになるのです。
自己中心になるしかありません。
できれば建物から出ましょう。

拒絶する(Deny)

何らかの理由で避難ができない場合、襲撃犯を拒絶し、遠ざける行動を取ります。

拒絶にはさらに4つの項目があります。

a)ドアを塞ぐ

留まると決めた部屋の中にある家具、機械や道具などを積み上げたり、寄せたりしてドアが開かないように工夫します。

b)ブラインドやカーテンを閉め、電気を消す。

窓から中が覗けないようにします。

c)ラジオやコンピューター画面を消し、携帯電話の音を消す。

音や光を出さないようにします。

d)警察あるいは警備員に通報する。

落ち着いて、電話の質問にすべて回答する。

防御する(Defend)

逃げ道がない場合、襲撃者が入ってきたときに有利になる位置を考え、戦略を練ります。

死んだふりは効果がないそうです。

他の人と協力してチームとしてどう行動するか考えます。
やると決めた行動を責任を持ってやりとげ、襲撃者を止めます。

救助が来たら手を上にあげて指を広げます。

警官には自分からは話しかけず、ただ言われた通りにします。

銃乱射事件を起こしそうな人に気づいたらできることは以上です。

全米ライフル協会(NRA)に立ち向かう高校生たち

米国では銃で自衛する権利が憲法で保障されているため、根本的に銃乱射を解決するのは難しいといわれています。

でも2018年2月14日、17人が死亡したフロリダ・パークランドの高校での銃乱射事件後は新しい動きが出ています。

銃乱射を生き延びた生徒たちが全米規模でデモや授業放棄の抗議行動を展開し、若者の投票登録推進運動を繰り広げました。

授業放棄には全米で3000の高校が参加。オープラ・ウィンフリーやジョージ・クルーニーが資金を寄付したことでも話題を集めた首都ワシントンでの抗議デモ ”March for Our Lives” には何万もの人が集まり大成功だったといえます。
有名人が寄付をくれたかもしれませんが、高校生たちの頑張りは大変なものだったと思います。

そして若者の投票率が低いことを問題とし、それを解決しようと地道な努力をしています。

すぐには成果は出ないかもしれませんが、将来は誰にも分りません。

これだけの行動を起こせる高校生たち

未来に期待します。

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