英語・バイリンガル

3歳でトロント移住、小1から補習校⇒高度バイリンガルに【子どもの視点】

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どんな子育てもそうですが、バイリンガル子育ても千差万別、唯一の正しい道などありません。

バイリンガル教育の権威でおありになる中島和子先生が企画され、カナダの日本語コミュニティ誌「月刊ふれいざー」に掲載されていた「バイリンガル子育て」シリーズには、とても貴重なインタビューや経験談がまとめられています。

許可を得て、これは!と思う記事を紹介していきたいと思います。

以下は「月刊ふれいざー」2019年8月号トロント版からの再掲記事です。

私の経験

私は長崎県で生まれ、三歳までそこで育ちました。四歳になる直前に父の仕事の都合でトロントに引っ越す事になりました。当時通っていたトロントの幼稚園は私にとって未知なる場所でした。先生とクラスメイトが話す言語が全く理解できず、周りは日本でいつも見るような顔つきでは無い顔ばかりでした。

自分の言いたいことの伝え方が分からずに過ごしました。鼻血が出ても先生に何をどう言えばいいのか分からないため、隠していた思い出もあります。

幼稚園の二年間はずっとクラスメイトと喋らず通いました。

しかし、小学校一年になれば、自然に相手が何を言っているか理解でき、自分も気付けば周りと会話をしていました。その年から毎週土曜日に日本語の補習授業校に通い始め、英語と同時に日本語も習い始めました。

現在もトロントに滞在中ですが、日本語もある程度は流暢でありながら、英語の方が日本語より使いやすく、話しやすくなったと思います。

バイリンガルの強み

バイリンガルの利点は読み書きのできる言語の数が増えるだけではないのです。

読み書きができてそこから広がる世界こそが真の利点なのです。
読み書きを活かしながら自分を磨くことによりバイリンガルの強さが発揮されます。

理解できる言語が増えればその分だけコミュニケーションを取れる人の数が増えます。

色々な言語を話す人と知り合い、触れ合う事で彼らの文化や母国の独自性を自ら経験し、理解する事ができます。様々な文化を知る事で自分の中に秘められた、自分が理想とするアイデンティティを築けるでしょう。

このように自分自身を高めるチャンスをバイリンガルは与えてくれるのです。

バイリンガルへの険しい道

私は3歳の時から英語を勉強しているため、 英語も日本語と同じ第一言語のようなものです。

この体験から言える事ですが、バイリンガルになるためには、やはりなるべく幼い頃から始めることです。
外国語を大人になってから習得するのはとても難しいことです。なぜなら、第一言語を通して第二言語を理解しようとしてしまうからです。フィルターを通して学習するため、 理解や解釈が一手遅れてしまうのです。

幼少期に二カ国語を自分の一部にしていき、新しい言語ではなく、両方の言語を自分のルーツとして考えるといいでしょう。そして、あたかも第一言語が二つあるかのように育つのが望ましいのです。

しかしこれはあくまでも理想です。幼少期から二カ国語を学べる環境に育つことは難しく、 誰しもが得られる特権ではないのです。

例えば幼い頃は一カ国語しか学んでいない子が、中学生、高校生、もしくは大人になってから、バイリンガルを目指す者もいるはずです。これは努力を必要とします。二つの言語の勉強をたゆまず続けることでしかバイリンガルになれないでしょう。

私の第一言語は日本語でしたが、トロントで日常使う機会は滅多に無いため、英語力がどんどん伸び、日本語力は徐々に低下して行きました。

しかし、トロントに住みながらも日本語力を維持し、さらに向上させることができたのは、12 年間毎週土曜日に日本語の補習校に通い続けたからです。

毎週日本語の勉強をし、 読み、書き、話し、日本人と触れ合ったからこそバイリンガルである私が育ったのです。

補習校に通っていなかったら私は、英語しか話せず、 日本語を話すどころかこの記事を書くことすらできなかったでしょう。


私はトロントに短期滞在中の日本人小中学生たちに、現地校の学習の家庭教師をしています。

日本であまり英語に触れる機会の無かった子どもたちが日々の現地校の英語での勉強を自分の ものにするために、週に数回放課後に私と一緒に更なる勉強の機会を重ね、バイリンガルへの道を歩んでいます。

努力をする彼らの英語力は周りの子ども達と比べると、明らかに成長速度が速いです。

私が小学1年生の時に急に英語を話せるようになったのと同じく、自分が気付かないうちに、自然と言語力が付いていくものです。

日々のバイリンガルへの道は険しく大変とと思いますが、不可能ではないことを知ってもらいたいです。

環境の大切さ

更に最も効果的に言語を学ぶのに必要だと私が思うのは、その言語を使わざるを得ない環境です。

例えば英語を習うなら学習帳を購入するよりもカナダやアメリカに留学するほうが効果的だと思います。

私は日系コミュニティーのサッカーチームで4歳から6歳までの子ども達のコーチをしているのですが、そこでは日本語を集中的に使用することを心がけています。日系の子どもでも日本語があまり得意ではない子も多いですが、そのような子にも日本語で説明しています。

このような日本語を使わざるを得ない環境では、コーチの説明を 100 パーセント理解はできなくとも、サッカーとともに日本語力も向上しているのがはっきりわかります。

例えば、私が教えている一人の生徒は日本語が不得意で、親と話す時にも必ず「マミー、ダディー」と呼んでいました。しかし、サッカースクールで周りが日本語しか使わなかったため、終わる頃には親のことを「お母さん、お父さん」と呼ぶようになったそうです。

周りが常にその言語を使っていれば、自然とその言語が耳に入り、ゆっくりと理解していくのです。更には「自分も使ってみよう」と思うのです。このように、学習する環境こそが最も大切なものとなっていくのです。

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