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オンライン授業開始から半年でわかったこと
ここ米カリフォルニア州デービスでは3月半ばに突然、学校閉鎖が始まり、その後、新学年になってもキャンパスに戻ることはありませんでした。
今後もしばらくはこの状態が続きそうです。
これまで右往左往しましたが、やって良かったと思うことというのは結局、普段は忘れがちだけど子育てに一番、大事なことなのかもしれないと思います。
今後もくじけそうになることもあるであろう自分自身を励ますことができるように、という意味でも、書き留めておきたいかなと思い、この文章を書いています。
自宅待機となった当初は、今思い返せば先行きも全く見えず不安でした。
そんな中、オンライン授業が開始したのは4月13日。
そしてその発表とほぼ同時に、6月の学年末までの閉鎖継続も決定しました。
急な展開に子どもたちはもちろん、親も先生も慌てていました。
楽しみにしていた学年末の行事や、夏の計画もすべて飛んでしまい、子どもも大人もただ呆然としていたような気がします。
突然の「日常の喪失」で、特に子どもたちは悲しみ、怒り、恨みもたくさん感じていたと思います。
秋も深まった今、振り返ってみると、どうしていいのかわからないなりに、やってみたあんなこと、こんなことのうち、あれは良かったんだな、とか、あれはどうでもよかった…とか、感じられるようになりました。
以下は主に、多感な?プレティーンの末っ子の娘のことを念頭に、書いています。
1. なるべく子どもの気持ちに寄り添うようにした。
楽しみにしていた行事や誕生日会、夏休みの計画がすべて飛んだことは、子どもにとって大きなストレスだったと思います。
そして何よりも、友達に会えない。
今まで、変なこと言う男の子がいるから学校には行きたくない、ということもあって心配したこともある子でしたが、「信じられないけど学校に行きたい」と言っていて、ある意味安心してしまったものです。
でも、長い春休みで嬉しい、という感覚が抜けてくると、深い悲しみにも襲われていたようでした。
そんな時は私も何もできないわけですが、それを認めた上で、とにかく黙って、言いたいことを聞きました。
そして、その感情を肯定し、少し収まってから、それでも自分たちが恵まれていると思うことを伝え、小さくても感謝できることを一緒に見つけるようにしました。
また後で触れますが、極力、親の自分の心配や不安をそのまま、押し付けるような言い方は避けました。
何か言いたいとき、これは自分が心配で不安だから言うのか、それとも子どもにとって、本質的に大事なことだから言うのか、立ち止まって、必要であればいったんその場を離れて考えました。
これは今まで、私も親としてなかなかできないことでしたが、今ではこの長ーい訓練期間のおかげで2、3回に1回ぐらいはできている気がします(笑)。
そして、子どもの気持ちに寄り添うこと、子どもの言いたいことを聞くこと、それ以上に子育てに大事なことってないんじゃないかな、と思います。
2. 散歩、種まき、運動(なわとび・自転車)、裁縫、料理など、簡単な作業を何でもすすめてみた。
マスクを作らなければいけなかったこともあり、私も久しぶりに裁縫をしたりしましたが、子どもにはムービングセールでお菓子の型や機織り機を買ったりして、とにかく少しでも画面を離れてできることを探しました。
少しでも体を動かすことは、とても大事みたいですね。
またアボガドの種から、根が出かかっていたこともあり、水栽培を始めたりもしました。
アボガドは成長が速く、子どもは大喜びで世話をしていました。
↑散歩道ではこんな石も見つかりました。
3. お手伝い制を導入し、お小遣いをあげることにした。
熱心な方は、以前からやっていると思いますが、小さなお手伝いをしたらポイントを稼げることにして、それがお小遣いになるように決めました。
そして、野菜の皮をむいてもらったり、お米を研いでもらったり。
実はこの秋の新学年開始後は、慣れるまでしばらくやらなくてもいいかと思っていたら最近はすっかり、モーチベーションが下がってしまってあまりやってもらっていません汗
やはりこういうことは、もっと習慣化するまでやらないと、いけないですね。
4. お小遣いのためだけではなく、気持ちが良いからやることも習慣化した(しようとしている)。
ほんの小さなことですが、朝ベッドを整えるとか、洗濯物をたたんできちんとしまうとか、手伝ってもらったらお小遣いポイントになるだけでなく、「気分がいいね💛」ということを強調しました。
今更ですが…。
5. ゲーム時間が長くなっても大目に見た。
これは賛否両論あると思いますが、友達とつながることができる数少ないツールでしたので、我が家では今までよりもルールを緩めました。
もともとあまり厳しくはしていなかったので、一時はやはり、もうちょっと制限しようかとも思いましたが、読書や、ほかの作業も好きではあるし、言えばやめるので、無理やり自分の不安を押し付けるような言い方をするのはなるべく止めました。
また、我が家では以前から次女と、隣の家のお姉さん(大人)が割と仲良しで、彼女も娘が今流行りだというゲームに興味を持ってくれたので紹介し、娘が彼女に一生懸命教えていました。
我が家は家では基本的に日本語なので、当然オンライン授業となり、英語でしゃべる機会が減っていました。
共通の話題のある友人がいると思えばこれでも良し、としました。
ただどうしても運動不足になりがちなので、もっとどうにかしたいとは思ってます。
それでもとにかく、全体的に高望みしないようにした、ということは、結果的には良かったです。
子どもも、大人も、今がんばろうとしていることだけで偉い、という感じ。
自分に優しく、他人にも優しく、の精神、といえば聞こえがいいかもしれません(笑)。でも、それでいいんじゃないかな、と思います。
(続く)