バイリンガル子育ては最初が肝心!工夫3つ【継承日本語】

子育てに失敗はない!と思っていますが、海外で日本語を育てることは想像以上に大変なこともある、とも思っています。

それというのも、日本語モノリンガル(日常的に一言語しか使わない人)で育ってきた親に、

「自分は日本語は『自然』に覚えた」という思い込み があるのではないでしょうか。

日本語モノリンガルの親世代は、「英語には苦労した」人も多いはず。

英語に比べ、日本語は自然にできるようになった、と思っていても当然です。

でも、日本語って「自然に」できるようになったんでしょうか。

・・・

いや、違います!

今もそうなんじゃないかなと思いますが、国語の「音読」の宿題はあったはず。

漢字テストや、計算ドリルも「毎日」、学校や宿題でやっていたはず。

それをやってくれる「学校」は、英語圏には日本人学校以外、ないでしょう。

そしてやっぱり「漢字」を覚えないと、日本語を読めるようになるのは難しい。

こちらにも書きましたが、バイリンガルに育てるなら、そして母語がマイノリティ言語なら、母語で読み書きがしっかりできるレベルまでサポートしてあげると、その後のバイリンガル子育ては(そうしない場合と比べ)楽になります。

日本語を文字として認識してもらうためにできること

ですから、英語圏で日本語維持をするためのバイリンガル子育てならば、非常に重要なのは早めに、自然な形で子どもに「日本語を文字として認識してもらう」ことです。

あまりにも当たり前の提案かもしれませんが、周りに漢字交じりの看板や、電車に乗ったときの広告、駅名など何も存在せず、日本食料品店に入っても、字が読めなくても欲しいものが手に入る。

そんな状態だったら、子どもが文字として日本語を認識するようになるでしょうか?

なかなか難しいのではと思います。

日本語には「ひらがな」もあるので、「読む」ことができるようになるのは、実は英語ほど、最初は難しくないといえます。

英語を読むというプロセスに必要なことは、以下に書きました。

じゃあ、親ができることは何かを考えると、補習校の小学部に入るなり、家で勉強するなり、日本語の勉強を進める時、いやいやながら漢字を覚えるモードにしないこと、じゃないでしょうか。

漢字の入っているポスターや読み物を集める

まず、「漢字」が字であることを幼少期から認識できるよう、漢字の入った読み物や、ポスターは活用しましょう。

壁に貼ることをどうしても許せない場合は、こちらの学校でよく使う、プレゼン用のポスターボードなどを利用して、「日本語コーナー」を作りましょう。

壁に貼ることに抵抗があっても、「トイレ」や「風呂場」だったら許せるなど、許せるスペースを最大限、活用しましょう。

本を増やす

それから、最近あちこちで言われるようになってきましたが、家に「本」を置くこと。

バイリンガル子育てをしているなら、日本語、英語両方の本が必要です。

ただ本棚に本があること。

その影響力が大きいということは、「研究」で裏付けられています。

ある統計では、親の学歴の高さや収入よりも、「家に本がどれだけ多くあるか」の方が、子どもの学歴に影響があったことが分かっています。

500冊以上本がある家では、本が少ない家と比べ、子どもが平均3~5年長く、教育を受けているという結果が出たそうです。

この2010年発表の論文は、被引用数が2021年5月13日現在500と出ていますから、社会科学系の論文としては相当インパクトがあったといえます。

家に、子ども向けだけでなく、大人向けの本も、たくさんあること。

そしてバイリンガルなら、両方の言語の本があること。

これは極めて重要だと思います。

もちろん、上の研究については、教育を受けた期間が長いことが重要なポイントと思えない、という意見はあると思います。

読書は好きだが、本を家に置くことは好きではない、という人もいるのかもしれません。

でも、読書そのもの、読解力があることそのものが、子供に悪影響だということはないと思います。

むしろ、良いことの方が多いですね。

読み聞かせを楽しむ

日本式の読み聞かせがどうだとか、英語圏ではこのように読み聞かせをしている、とか細かい意見もあるようですが、なんらかのデータに基づいてそのような意見が出ているのかどうか、確認できていません。

とにかく、どんなやり方であれ、親と子が楽しんで、リラックスできる言葉で本を読む、それ以上考えすぎなくてもよいのではないかと思います。

子供が生まれてすぐから読み聞かせをしていれば、嫌いな子供はいないだろうと思います。

とにかく、親子で楽しむこと、母語で子供と笑える関係になれること、を続けることが、カギだと思います。

次回は、もう少し大きくなってきてからできることについて書きたいと思います。

 

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