コミカレでアメリカ留学:カリフォルニア州の場合の費用概算

コミュニティカレッジ→州立大学の留学は割安か?

学費の高騰で、多額のローン返済を抱えて卒業する学生の割合が増えている米国で、学費の節約にもなる2年制のコミュニティカレッジ(Community College、略してコミカレ)への進学を選択肢に考える家庭も増えているようです。

この方法は留学生にとっても節約になるのか、計算してみました。

米国の大学では日本と比べると奨学金が充実しており、額面通りの学費を満額収める学生は少ないのですが、それでも、もともとの値段が高額なため、例え授業料の半額、50%という奨学金をもらえても、入学は見送らざるを得ないこともあります。

そんな中、高校卒業後すぐに4年制の大学には進学せず、まずコミカレに進学し、そこから4年制大学に編入(トランスファー)するという方法があります。

コミカレは留学生も受け入れています!

カリフォルニア州を例に、コミカレから4年制の州立大学を目指す方法の詳細と、その場合の費用についてみてみます。

結論から言いますと、確かにコミカレは割安ですが、州立大学の、特に留学生向け学費が高騰しているため、全体のコストを考えるとアメリカ留学への投資に意味があるのか、慎重に考える必要があると思います。

特にカリフォルニアでは、一般にコミカレから州立大学という留学ルートが、割安とはいえない時代に入ったといえるかもしれません。

 

コミカレから4年生州立大学への編入最低条件(カリフォルニア州の場合)

カリフォルニア州には2つの州立大学システムがあります。UCLA や UC Berkeleyなど、世界的にも知られている名門校を含む、カリフォルニア大学(UC)と、カリフォルニアで一番歴史ある州立大学であるSan Jose State Universityを含む、カリフォルニア州立大学(State University)です。

UCへの最低編入条件

まずカリフォルニアのコミカレからUCに編入する条件とは、何でしょうか。

UCの担当者によると、カリフォルニアのコミカレからUCに編入するための最低条件は、

・UCの単位として認められている単位60単位をコミカレで履修・取得していること。
・必要GPAは2.8。(カリフォルニア州住民は2.4)
・英作文関係2コース、数学1コース、その他4コースの7コースについて、C以上の成績を収める。

以上の3つです。

 

UCでの専攻を早めに決めておくと、UCLA、UC Berkeley、そしてUC San Diegoを除くUCの6大学のどれかには確実に編入できるプログラム、TAGに参加することも可能です。

もちろん、TAGに参加しても、UCLAなどにも出願できます。

コミカレの学費

費用ですが、サクラメントのSacramento City Collegeですと、留学生の授業料は

1単位 326ドル。
年間24単位、年2学期を履修すると考えると 年間授業料は 7848ドル となります。
生活費はおそらく 1万5000ドル前後。

最低で合計2万5000ドル前後はかかるようです。

 

別のコミカレの、サクラメントから少し郊外にあるSierra Collegeだと、

1単位 279ドル。
年間授業料は上と同じ条件だと 6696ドル。

ここには寮がありまして、その年間費用は 7400ドル。

その他費用を入れると、年間費用は合計2万ドル前後と、SCCより少し割安になります。

もちろん留学する場合は費用だけでなく、学びたい分野のコースが履修できるかなど、きちんと調べた上で決定する必要があります。

UCの学費

ただしUCの留学生向け学費は現在、年間4万5000ドル(州内の学生でも1万5000ドル)。
生活費など含めると、年間6万5000ドル前後が必要と見積もられています。

カリフォルニア州立大学への最低編入条件

UCではない方の、カリフォルニア州立大学への最低編入条件は、

・カリフォルニア州立大学の単位として認められている単位60単位をコミカレで履修・取得していること。
・必要GPAはカリフォルニア州住民は2.0ですが、留学生・州外の生徒はもっと高い成績が求められる。おおざっぱですが、3.0は求められているように思われます。

留学生の学費は年間1万7000ドル程度とお手頃感がありますが、San Joseなどベイエリアの人気校だと生活費は高額となります。
結局は年間4万ドル前後が必要なようです。

コミカレ+州立大学の学費

つまり、コミカレから州立大学に編入する場合、最安でも

・Sierra College 2年 + カリフォルニア州立大学 2年 = 4万ドル + 8万ドル =12万ドル

 

最高だと

 

・SCC 2年 + UC 2年 =  5万ドル + 13万ドル = 18万ドル


もの費用がかかるということになります。

 

もちろん、成績優秀者には奨学金も出ると思いますが、最初からあてにはできないのが普通だと思います。


学部からの米国留学を考える場合、これだけの投資をする価値があるのか、よく考える必要があると思われます。

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