PEaCHとは
欧州連合(EU)で、バイリンガル子育て支援のプロジェクト「PEaCH(ピーチ)」が始動しました!
以下が公式サイトです。
サイトによると、PEaCHとは
「バイリンガルの子ども・家庭のエンパワーメントを通じ、欧州の文化・言語遺産の維持と振興を促す」
(PEaCH stands for “Preserving and promoting Europe’s cultural and linguistic heritage through empowerment of bilingual children and families”)
の頭字語で、PEaCHのミッションは
「保護者・教育者らに対し、子どもの家庭言語の支援・維持・発達の方法のアドバイスを提供すること」、そして「バイリンガリズム(二言語を使用する能力)と家庭言語の恩恵について、教育者らの認識の向上」
(PEaCH’s mission is to offer guidance for parents and educators on how to support, maintain and develop a child’s home language(s). PEaCH also wants to raise educators’ awareness of the benefits of bilingualism and home languages.)
を目指すとしています。
ベルギーのヘント大学(Ghent University, ゲント大学という表記もあり)の研究者と、言語教育専門家が中心となってプロジェクトを進めているようです。
EUの公式言語は24!
ちなみに、英国が離脱したEUですが、公式言語は24あります。
英国離脱後、国の公用語を英語とする国はアイルランドのみとなりました(アイルランドでは、アイルランド語も公用語ですが)。
そこで公用語を英語にし、通訳などが不要になるようにしたほうがいいという意見が出たり、逆に英語をEUの公用語から排除する動きもあったようです。
結局、英語はフランス語・ドイツ語とともに、EUの公用語として残りました。
もしかしたらこのような、英語を重視する動きもあって、PEaCHのような、これまでの研究成果に基づいてバイリンガルを推奨するプロジェクトの必要性が高まったのかもしれません。
ちなみに英国離脱後のEU加盟国は27ヶ国です。
PEaCHのバイリンガル家庭向け無料パンフレット・動画・教材をチェック!
PEaCHでは始動に合わせ、家族と教育者のためにパンフレットを用意しました。
こちらで↓ダウンロード可能です。
パンフレットは英語で、EU各国の保護者向けに書かれていますが、分かりやすく、具体例も大目なので、日本でも、アメリカでも、バイリンガル子育てをしている家庭、これから取り組む家庭の両方によい指針となりそうで、おすすめです。
ただ、簡単な英語とはいえ、パンフレットは100ページ以上あります…
バイリンガル子育てって、やはり最初からいろいろなケースを想定して説明しようとすると、どうしても長くなるんですね。
でもこの時代に合わせ、短い動画も用意されています!
最初の動画、「バイリンガル児の育て方:5つの通説と実際(How to raise a bilingual child: 5 myths debunked)」も分かりやすく、おすすめです。
今後もバイリンガル家庭向けの、すぐ使えるリソースが加わっていくと思われますので、注目していきたいです。
海外子女教育振興財団のパンフレット
補習校などの在外邦人向け教育支援を行っている、海外子女教育振興財団も、母語(日本語)の発達の重要性を書いたパンフレット、「母語の大切さをご存じですか」を出しています。
日本からの駐在家庭向けですが、バイリンガル子育てでの母語の重要性を伝えている点では、PEaCHプロジェクトと重なる部分もあるといえます。
当サイトでも、以下などで母語の重要性について書いています。
バイリンガル子育てには様々なパターンがありますので、これは一つのパターンに過ぎないともいえます。
でも幼少期に母語をしっかり伸ばしてあげることで第2、第3言語も伸びていくことが、いくつもの研究で裏付けられていることは、間違いありません。