ハーバード大学入学審査の人種考慮は「違憲」 今後の影響は?

米最高裁、人種を入学審査で考慮することを違憲と判断

アメリカのバーバード大学とノースカロライナ大学が入学審査で人種を判定要素の一つとして用いていることについて、機会の平等を謳うアメリカ憲法に反するとして訴訟が起こされていました。

2023年6月29日、アメリカの連邦最高裁は保守派判事6人がこの訴えを認め、いわゆるアファーマティブ・アクション(「積極的差別是正措置」)に対して違憲との判断を下しました。

アメリカの最高裁判事は合計9人で、今はリベラル派がわずか3人。
女性の中絶の権利も民意を反映していないと言われています。

構成員の写真をみると女性判事も、黒人判事もいて、史上最も人種・文化的に多様だと言われています。

マイノリティが保守化することもよくあるといういい例といえます。

そして今回の判断は結局、保守・リベラルの対立における保守の勝利、といえる面があります。

ちなみに、リベラルの多いカリフォルニア州では、1996年にアファーマティブ・アクションを禁じる法律が住民投票で可決され、その後も時々住民投票にかけられますが、覆されていません。

この記事では、このようなアメリカの状況について解説していきますが、
アメリカの大学の入学審査訴訟を起した集団、そして今回の判断について
アメリカの大学入学に関心のある親として、どのように考えることができるか 
についてみていきます。

アメリカの大学の入学審査

アメリカの大学は入学審査で、
共通テストや学校の成績だけでなく、課外活動や推薦状など、さまざまな要素を考慮する
ということは、すでによく知られていると思います。

でも具体的にどのようなプロセスを経て選ばれるのかは、なかなか分かりづらいところです。
高校生の子供がいると、教育コンサルタントからの勧誘もよく来ます。
つまり、アメリカ人でもその道の専門家に任せた方が安心、と思っている人も大勢いるわけです。

そんなブラックボックス的なアメリカの入学審査において、今回、違憲判決となった人種は、
入学審査の際に用いられる、何十にも上る要素の1つに過ぎません。

ただ、ハーバード大学のように志願者が多く、非常に狭き門で知られる大学の審査基準ならば、
自分がどうがんばっても変えることが無理な「人種」というカテゴリで、
不利になると感じる集団がいたことから、訴訟になったといえます。

Students for Fair Admissionsとは

今回訴えた側のStudents for Fair Admissionsはアジア系、中でも東アジア系であるために
ハーバード大学に入学できなかったと考えている生徒が中心と言われています。

東アジア系は昔からSATなどの共通テストの点数が他の人種と比べて高い という特徴があります。

成績も優秀な子が多く、モデル・マイノリティとも言われてきました。

それで、大学入学に際しては点数や成績だけで判断しないアメリカの制度はアジア系に不利だと思っている人々が昔からいたと思います。

さらに、この不利さ加減を統計的に明らかにした調査結果も出て、保守派の望む判断が下されました。

訴訟をまとめているのも、昔からアファーマティブ・アクションに反対している保守派のアメリカ人。

他のリベラルな法律に対しても訴訟を起しまくっています。
こういう人、いますよね。意外とどこにでも。

こういう人生も可能なアメリカです。

今後どうなる?親として考えられることは?

上にも書いた通り、カリフォルニア州では当の昔にアファーマティブ・アクションは廃止されました。

その結果何が起こったかというと、カリフォルニアを代表する州立大学のカリフォルニア大学(University of California、名門といわれるUC Berkeley, UCLAを含む)では、抑圧されてきた歴史が長く、大学入学審査で不利な立場に立たされてきた黒人・ラティーノ(中南米系)・先住民系の背景を持つ入学者数が有意に減少し、白人・アジア系が増加したと言われています。

ではハーバード大学でも同じことが起こるかというと、一概にそうとは言えないと思います。

あのような私立大学では、入学審査では卒業生などによるインタビューまで行われますし、審査項目は多数あります。

人種の項目が削除されたからといって、入学者の人種構成が大幅に変化するかどうかは、分かりません。

ただ、アジア系の入学者の割合は着実に増加を続け、黒人やラティーノ系は減少するという傾向はすでに以前から、表れているということです。

今回の判断で、この傾向が続くという予想はできそうです。

 

ただ、非常に狭き門であるアメリカの名門私立大学に子供を入学させたいと思っているアジア系の親にとっては、だからといって特に大きな影響があるとは考えられないと思われます。

結局、これまでアジア系でハーバード大学に入れなかった人も、非アジア系でハーバード大学に入れなかった人も、大勢います。入学許可が出ても、奨学金がもらえるといっても、その額がどうしても足りなくて、入学を断念した人もいます。

更に現在は、世の中の変化のスピードが速く、大学だけでなく教育界全体が転換期にあるといえます。

子供がやりたいこと、その道をサポートすることを第一に考えれば、大学名だけにこだわらない、より幸せな人生が送れるといえるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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