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補習校に通わず、ホームスクーリングで育った日英バイリンガルのケース(後編)
前回に引き続き、二人のお子さんが小学校入学前後に米国に移住し、その後主に家庭学習で日英バイリンガルに育て上げた先輩保護者のお話です。
昨年、「バイリンガル子育ての会」を開催した時に伺った時のまとめです。
家庭での日本語学習に活用!「ポケット式カード入れ」「漢字カード」「筆と水」
―そのほかに、家で日本語を育てる工夫があったら教えてください。
- 6年生までの漢字カードを購入して、壁に教室で使うようなポケット式のカード入れを貼りました。
- 今週の漢字、というのを選んでそこに入れたりしておいて、読み方などを適宜確認しました。
(参考)こんなの↓です。
- 水で習字の練習ができる紙も利用しました。
小さいころから漢字の書き順やとめ、払いなどを学ぶのに最適で、利用価値があったと思います。
―壁に漢字の表をただ貼るのではなく、毎週の漢字を選んで、入れ替えたり、一つ一つの漢字を確認したりすると、効果が高まりそうですね。
こちらでは、漢字そのものがほとんど目に入ってこないので、早めに漢字を意識する脳の部分を鍛えておくと良さそうです。
漢字を覚える場所は、アルファベットなどと異なるという説も聞いたことがあります。
水でのお習字は、子どもは水で遊んだりすることが大好きですから、小さいころからそれとなく、教える作戦はよさそうですね!
きょうだい間の会話は日本語?二人の違いは?
―きょうだい同士でも、家の中での会話はずっと日本語でしたか?
基本的に家の中は日本語でした。
―きょうだいでバイリンガルの発達に違いはありましたか?
- ちがいました。子どもによって、二つ目の言語が入ってきやすい子と、そうでもない子がいるかもしれないと思いました。
- 息子は本は好きだったけれど、(子どものころは)言語が得意な方ではないようだった。
- 日本語の本をどうしても読まなくなったので、中学生からは学習マンガや普通のマンガをそろえました。一時は壁一面、本棚三つ分以上マンガがありました。
- 日本史などは、大人向けのマンガをそろえました。
―子どもは一人一人ちがいますし、当然、得意不得意もありますよね。息子さんの方はまだ日本語の読み書きが確立していないころ来ているので、その後に第2言語が入るかどうかも、関係があるかもしれないですね。
―最初から英語圏で育った場合、社会で使われていない言語は、5歳ぐらいで消えてしまうと言われていますが、もちろん、それ以後も努力は必要なわけで、言葉が自然に育つというのは、本当にまぼろしですよね(笑)
―我が家も、まだまだ言葉が伸び盛りの子どももいますので、アイディアを参考させていただき、できるだけ両言語を伸ばしてやりたいと思います。
お忙しいところ、貴重なお話をありがとうございました。
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