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アメリカのコロナ禍での学校閉鎖
我が家の子供たちに直接 コロナ禍の影響が及んだのは 2020年3月のことでした。
アメリカの子供は「コロナにより、学習機会が丸1年失われた」というような言い方をされることが多いのですが、実際のところ、全米各地で少なくとも1年半以上にわたって、
今まで当たり前のように考えられていた学習機会が失われた子供が多いと思われます。
我が家では20年、春休みが2週間ほど早く、長くなったという状態を経て、
その後は学校に戻ることはなく、5月に緊急のオンライン授業が始まりました。
当時小5だった娘の担任の先生からのメールを見ると、3月末には家庭学習のために科目別に何をしたらいいかというリストが送られてきてはいました。
オンライン授業の開始は 学年末まで1か月という5月初めの時期。
主にGoogle Classroomを使用して、それにやっと慣れてきたらその後は夏休みに突入しました。
2020年の8月末からの新学年は、もちろんオンライン授業で開始。
オンライン授業のプラットフォームはGoogle ClassroomからCanvasへと移行。
授業の組み方も少し改善されました。
そしてようやく、21年の春休み明けから、希望者は午前中だけ登校して、教室でクロームブックを開いて授業を受けることができるようになりました。
2021年の新学年は対面で再開。(オンライン希望者はオンラインを選択)
最初の数か月間はどこも教室運営だけで大変だったと思います。
21年度が終わって 秋からの新学年に向けて いろいろな思いを抱いているご家庭も多いのではと思います。
この22年の夏休みには コロナ禍の様々な子供への影響について、分かっていることを整理して、
すっきりした気持ちで新学年を迎えたいですね。
アメリカをはじめ、学校閉鎖が長期に及んだ国々では、
この1年半で子育てにもいろいろな影響がありました。
個人的には、現地校(英語)と日本語の両方に、
思った以上に影響がある部分と、
巷で言われているほど影響がない部分
があるような気がしています。
例えば、学校閉鎖とは直接関係がありませんが、コロナ禍で乳幼児の発達に遅れがみられる傾向がある
という報告は気になります。
単なる憶測ですが、普段は保育所やベイビーシッターに頼んでいるのに
それができなくなった影響などもあるのかもしれません。
でも、幼児期の遅れは後からのキャッチアップも 十分可能であるようにも思われます。
何といってもまだまだ、これから伸び盛りです。
もちろん、言語発達などの遅れが気になる場合は、専門家に相談することが重要である一方、
そればかりに頼らず、「親の勘」も無視しないことが必要です。
コロナによる学校閉鎖の子供への影響
学校の閉鎖で一番よく報告されているのは、これまで以上に学力格差が拡大したということです。
インターネットの接続やデバイスの問題に始まり、経済格差が家庭でのオンライン授業に及ぼした影響は計り知れません。
ただ、下の記事にあるように、資金が潤沢な学区の子供たちへの学業上の影響はほとんどない、あっても少ないとも言われています。
この↑3番目の記事では、オーストラリア、日本などは学習の喪失があまりなかったとされています。
うらやましい限りです。
学校閉鎖期間に何らかの学習の遅れが出た場合は、対面が開始されてから
- チューター制度を導入し、週に数回、少人数グループで習熟度別指導を行う
- 授業時間数を追加する
- サマースクール
というような方法で取り戻すことが可能だという見解があります。
学校閉鎖によるバイリンガルの子供への影響
では、学校閉鎖がバイリンガルの子供に与えた影響はどんなものがあるでしょうか。
学習についてはもちろん、一般的には上にあげたような、他の家庭と同じ影響があると考えられます。
バイリンガル家庭では例えば、
基本的に家の中では日本語、外では英語を使用していた場合
当然ですが英語の使用時間が大幅に減ることになりました。
バイリンガル家庭の強みは、この時もう一方の言語を活用することもできたことだと思います。
補習校やその他の教材で これまでとほぼ同じように
日本語などでの学習を行うことができた場合は、
学習面そのものへの影響は思ったよりも出なかった家庭もあると思います。
ただ、補習校もオンラインに移行したり、完全に家庭学習となってしまったケースもあり、
その場合、学習意欲に大きな影響が出たお子さんも多いと思います。
学習意欲については、日本への一時帰国も丸2年間ほどできなかったことは、
思った以上に大きな影響があった恐れがあると思います。
そのような時期を経ても、日本語での学習を続けようしている家庭は
それだけでも非常に意欲が高いといえます。
日本語と英語、両方のバランスを考えて補うことが必要
一般的には上のような状況だったと考えると、
英語の強いお子さんは、各学区や学校の補強プログラムも必要がないとみられることが多いと思います。
そこで主に日本語の学習意欲を維持するように、今後も継続できる、お子さんにとって楽しい、日本語での活動を考えていくことが重要です。
「日本語の勉強」については、以前よりも学習意欲が低下していたり、
いい点数をとれなくなったりしても
気にし過ぎず、細く長く続けること、続けているだけで幸い、
と思って、少しハードルを下げることも重要だと思います。
日本語が強いお子さんでも、コロナ禍では日本語での学習活動も減ってしまったと思いますので、
その分をできるだけ補強しつつ、英語も、活動が減少した分を埋め合わせるようなものが必要です。
読書やテレビ、映画も英語のものを増やしたり、
英語での習い事を多くすることも良いと思います。
できればグループでやるものがいいですが、子供に興味があることが一番重要だと思います。
もし何か心配なことがあれば、すぐに学校の担任や関係者に連絡して、何ができるか、どのような選択肢があるかの情報を探しておくことも重要です。
英語の補強方法例(小学校高学年~中学生)
またどちらの言語でも、読書を進めることが一番重要です。
私は図書館やオンラインで、読書プログラムを見つけたり、
好きな作家やシリーズのオンラインイベントを見つけたりしました。
我が家の娘も、YouTubeが大好きですが、コロナ禍に日本語でも英語でも、
夢中になれる本があったことは良かったと思います。
娘は英語がやや強いようにもみえるけれど、家の中は基本的に日本語の家庭なので、
常に一般的な英語の話題をどのように取り入れるかを考えています。
つまり、バイリンガル子育ての方針がある程度きっちりとあれば、それに沿って補強すべきところを
いつもより少しだけ増やしていく、
というのが基本的な考え方ではないかと思います。
YouTubeも、当然ですがすべてが悪いわけではなく、
彼女が自分でみつけてきた、爬虫類専門店を経営している夫婦のYouTubeを熱心にみたり、
クラフト(工作)のYouTuberの動画をみたりすることは
英語の維持にも役立ったと思っています。
でもそれだけでは、特にコロナでの学校閉鎖後は学習言語としては足りません。
うちの子はワークブックは絶対にやろうとしません! ので、
子供向け時事週刊誌を購読してみたところ、割と好評でした。
・最初の6週間は無料で試せます。
・アメリカなど英語圏で育っていない親が読んでも、勉強になることも多いです。
・有名なアメリカの時事週刊誌、TIME の子供版。学校で購読していることも多いと思われます。
どちらも対象年齢は9才ぐらいから14才ぐらい、小学校高学年~中学生。
いずれにしても、子供は成長途上なので、親は常に心配しがちです。
これからの伸びしろを信じて、目の前の子供を大事にして、ただ見守る。
これもとても難しいですがとても大事です。
心配し過ぎないで大丈夫なことは、とても多いと思います。
私も親として日々、反省することも多いのですが、
上の二人がそれぞれの道を歩み始め、
いろいろな情報は整理されてきております。
相談のある方は以下よりご連絡ください。