アメリカで「良い高校」とは?学校ランキング以前に大事なこと

アメリカの教育で重要!な州別データとは?

1年ほど前に本サイトに投稿した、最近も読まれている記事「アメリカの高校ランキング
にも書きましたが、アメリカの高校は義務教育です。

つまり私立であれ、公立のチャータースクールであれ、特別な高校を目指すのでなければ、
日本のように塾に通ったりするなどの特別な努力をしなくても、
だれでも地元の公立高校に入学できます。

でも、地元といってもアメリカでは、日本と違って
国よりも、州が教育政策を任されている部分が多いので、
地域ごとに学校を取り巻く環境も少しずつ異なると思います。

個人的にはカナダやオレゴン、そしてカリフォルニアでもいくつかの地域に暮らし、
学校訪問や教育関連調査・研究にも関わってきて

もし子供の教育を最優先するとして、もう一度子育てをするならどこでするかと聞かれたら、

もちろん!

カリフォルニア州デービスを選びたいです。

ただ今後、デービスは児童・生徒数の減少が見込まれていて、色々問題が出てくると思います。

なぜなら基本的に、公立学校の財源は州政府から出ていて、それは児童・生徒数に基づいて分配されているからです。

人数が減れば、財政は削減されます。ないものはない。バサバサカットされるプログラムが増える恐れはあります。

アメリカでは教育資金に連邦政府の資金が拠出される割合は1割かそれ以下。

バイデン大統領は連邦政府の教育費助成を増やすと言っていますが、基本的に教育の大半の費用は州政府の財源で賄われているといっていいです。

ですから、州別の1人当たりの教育に使われる費用は、公教育の質に直接的に関わってくる指標です。

州全体の教育環境が良ければ、義務教育の学校の水準も高いことが多くなります。

「アメリカの教育」「アメリカの学校」と一般化されることが多いので、
州ごとにどのぐらいの開きがあるのかについて書いてみます。

ちなみに、州全体の教育水準が高くなくても、良い学区のあるところには良い高校があることになります。

ですからアメリカでは一般論として「学区が大事」と言われるわけです。

 

アメリカ公教育で子供1人当たりに使われる教育費用ランキング

実は、カリフォルニア州が子供1人当たりに教育にかける金額は昔から少ないことで有名です。

その批判を受けて近年少ーし増えたようですが、最近のランキングでもやはり全州の平均以下。

ちょっと見にくいですが、上から多い順でカリフォルニアは矢印のところ。
引用元データはこちらです。

アメリカで良い教育環境のある州ランキング

このような各州の子供1人あたりの教育資金の状況に加え、高等教育機関、つまり大学への進学状況なども考慮に入れた、アメリカの州別教育環境ランキングがあります。

“Best Sate for Education Ranking” と題されていますが、要するに州全体で最も優れた教育環境を提供している順位ともいえます。

ここではカリフォルニアは21位と健闘していますが、高校までの教育(右欄、PreK-12)は37位。

大学のランキングが4位と高いので、それが反映されています。

カリフォルニアは州立大学がかなりがんばっているといえます。

State Overall Higher Education PreK-12
Massachusetts 1 27 1
New Jersey 2 30 2
Florida 3 1 27
Washington 4 2 19
New Hampshire 5 37 3
Nebraska 6 7 9
Virginia 7 14 8
Vermont 8 41 4
Iowa 9 8 13
Utah 10 6 22
Colorado 11 9 14
Connecticut 12 44 5
Maryland 13 17 11
Wisconsin 14 11 16
Kansas 15 13 15
Wyoming 16 3 34
Minnesota 17 20 12
South Dakota 18 10 23
Illinois 19 31 7
North Dakota 20 5 35
California 21 4 37
New York 22 15 25
Delaware 23 16 24
Indiana 24 39 6
North Carolina 25 12 28
Montana 26 19 20
Missouri 27 26 21
Maine 28 34 17
Hawaii 29 21 30
Georgia 30 25 31
Ohio 31 38 18
Pennsylvania 32 50 10
Idaho 33 35 26
Texas 34 32 33
Tennessee 35 23 38
Oregon 36 22 39
Michigan 37 42 29
Kentucky 38 43 32
Oklahoma 39 28 43
Arizona 40 24 44
Rhode Island 41 48 36
Arkansas 42 40 40
South Carolina 43 46 41
West Virginia 44 45 42
Nevada 45 18 48
Mississippi 46 33 45
Alaska 47 36 47
Louisiana 48 49 46
New Mexico 49 29 50
Alabama 50 47 49

出典:World Population Review

 

アメリカで良い公立学校のある州ランキング

Wallet Hub というサイトも、「良い公立学校のある州ランキング」を発表しています。

ここではカリフォルニアは41位

ベスト10

1.マサチューセッツ

2.コネチカット

3.ニュージャージー

4.バージニア

5.ニューハンプシャー

6.メリーランド

7.デラウェア

8.ネブラスカ

9.ウィスコンシン

10.バーモント

 

11~20位

11.ロードアイランド

12.ミネソタ

13.メイン

14.ニューヨーク

15.イリノイ

16.ユタ

17.ノースダコタ

18.フロリダ

19.ケンタッキー

20.アイオワ

Source: WalletHub

このランキングは、共通テスト(SAT)の平均点などと同時に、「いじめの件数」や「脅されたり、けがをしたりした子供の割合」などのデータも評価基準の算出に使われているので、

ある程度学校の全体的な環境も考慮されているといえます。

そのような統計に基づいたランキングがあるのが興味深いです。

 

もちろん、このランキングが教育や学校を考える上でどの家庭にも参考になるかというと

そうでもないかもしれません。

また、ランキングが下だからといって すべての学校の質が低いというわけではないと思います。

ただ、教育にはやはりお金がかかります。

州全体に財源があるのかないのかが 教育の前提としてかなり重要な指標になることは 
確かだと思います。

 

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