後悔しないバイリンガル子育てについて考える
海外での子育て・教育コンサルタント の もん です。
今日はバイリンガル子育て あるある の、2~3才児で言葉の発達がおそいと感じる時どうすればいいのか ついて考えてみたいと思います。
すでによく言われていることではありますが海外、特にアメリカ でのバイリンガル子育ては簡単ではありません。
それには色々な原因があります。
でも
たとえ頭では原因がわかっていても、それをすぐに克服したり解消したりできるわけでもない
んですよね。
そこがバイリンガル子育ての難しいところです。
何度も言っていますが、バイリンガル子育てにも正解はないと思います。
自分が良いと思って決めたこと。
パートナーと話し合って決めたこと。
その時々の積み重ねで子育てはどこまでも、続いていきます。
どんなに最善と思った決断でも、後悔することもあるかもしれません。
でも、自分がその時良いと思って決めたことは最善の選択だったと言えます。
もし後悔を感じたら、その時またやり直せばいい。
ただ、ある程度 自信を持って決断できるか どうかは大事です。
まわりがこうだからとか、なんとなくそう思うからとか、そういう部分があると
どうしても後悔を感じることが増えてしまいます。
多くの日本人家庭が「あきらめた」という言葉を使っているのはとても残念な状況だと思います。
言葉が遅れている?バイリンガルをあきらめたほうがいい?
例えば子供がまだまだ小さい3才までのころ。
言葉がなかなか出ないので英語に切り替えたら話始めた。
という話は良く聞きます。
自分は日本語、パートナーは英語で話しかけていたけどうまくいかなかった。
これもよく聞きます。
そういう家庭は多いので、この一人一言語の方針=OPOL(One Parent One Language)を実践しても バイリンガル子育てはほぼ「成功」しないと断言する人もいます。
一人一言語については以前もこちらの記事で書いています。
バイリンガル子育て、「一人一言語」でも成功しない?【継承日本語】
でも、それで成功しないなら、何で成功させるんでしょうか。
それって「国際家庭」ではバイリンガル子育ては成功しないということでしょうか。
それは違います。
バイリンガル子育ての成功例から学ぼう!
一人一言語にも「成功例」はあります。
例えば有名どころではサンドラ・ヘフェリンさん。
彼女は
『ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』 (2013年、角川・メディアファクトリーコミックエッセイ)の中の「サンドラ家流バイリンガル教育」
で、両親が物心つくまでOPOLで育てられたとはっきり書いています。
サンドラさんは、一人一言語の方針の問題点についても書いています。
最初のうち日本語が強かったサンドラさんとお母さんが話をするとき、お父さんはきっとさびしかっただろうなということ。
私のママ友にも一人一言語のバイリンガル子育てで「成功」している人は大勢います。
一人や二人ではありません。
非常に高度なバイリンガル、トリリンガルに育ったケースもあれば、親が思ったほどには高度バイリンガルにならなかったケースもあります。
でも、何度も言っているようにバイリンガルの幅は広いですし、成功例から学ぶことは多いと思います。
広島県在住のバイリンガル子育ての専門家で、自分も親として子供2人を 英語がマイノリティ言語(継承語)の日英バイリンガルに育て上げたAdam Beckさんは、子供が生まれてから最初の数年間が非常に重要と言っています。
その時期のマイノリティ言語との接触の質と量、そして言葉を学びつつけるための必要性 がとても重要だと。
この必要性というのは動機とも言い換えられると思います。
彼の著書は以下でも紹介しています。
「バイリンガル子育て」パンフレット出版!
一人一言語については、アメリカ言語学会もバイリンガル子育ての方法の一つとして説明していますし、ヨーロッパの多言語家庭の集まりでも日常的に家庭の言語方針として出てきます。
とはいえ、一人一言語で子供を育てれば、必ずバイリンガル子育てが成功する、つまり高度バイリンガルになるのかというと、それは違います。
つまり、一人一言語は 十分条件ではない、それだけでは成功しない、ということです。
また、一人一言語 がどの家庭にもあっているかというと、それは違います。
一人一言語でうまくいかない部分があるのに 無理し過ぎて続けたとしても
うまくういかない恐れがあるのは当然でしょう。
これらの点に異存はありません。
でも、これは、一人一言語は成功しない ということとは違います。
バイリンガル子育てに必要なこと
日本語で話しかけるといっても、小さい子供にずっと話しかけることはなかなか難しいです。
2, 3歳ぐらいまでの時期にどのぐらい話しかけたらいいのか。
できることは何なのか。
それで英語は問題なく習得できるのか。
そのような疑問にすべて、うまく答えられる「専門家」はなかなかいません。
でも、ちまたに流れている話だけ聞いて、バイリンガル子育てが自分には難しそうだからやめてしまおうとあきらめていいですか。
後から子供の英語が強くて日本語で話ができなくて寂しいと後悔しませんか。
自分が本当に望んでいることが何なのかも、話してみるだけで分かってくることは多いものです。
もし3歳児までの親御さんで、迷っている方がいましたら、どうぞご連絡ください。
あなたにとっての「成功」の目標を考え、現実的な方法、今のままでうまくいくのかどうか、後悔しない決断をするためのコツなど、一緒に考えていきましょう。